ネコと戦わなくてはならない。
もうこれは、サダメである。
素手で戦っても、きっと負けるから、気合と目ヂカラで勝負しようと思っている。
あとそれから、知恵で。
◆◆◆
最近引っ越したクジラアンは、自称、町屋である。
だから町自体がせまい。
ノラネコはまあまあいる。
ずっと泣き声のでかいネコがいた。
もう人間の叫び方のよう。
そのネコは、もうすぐそこで叫んでいる。
ホントにすぐそこ。
手を伸ばせば届くくらい。
でも、すがたを見たことはなかった。
叫び方からして、よっぽど度胸のあるネコに違いない。
やっぱりほったらかしにしておくことはできない。
おしっこをされたり、何かを荒らされたりしたらめんどうである。
ボクはこのネコと戦わなくてはならない。
◆◆◆
見つけた。
それはトイレに行く時だった。
(トイレは、外にあるのだ☆)
デカいネコだった。
叫び声からただものではあるまい、
と思ってはいたが、ここまでデカいとは。
でっぷりと太っている。
色は、茶色かオレンジである。
見つけた時、目があった。
世をナメくさった目つきである。
「ふてぶてしい」
という言葉がふさわしい。
そのデカいネコは、こちらを警戒するどころか、とても落ち着いていた。
「ナンダ、オマエハ…」
と言われている気がした。
逃げない。
目もそらさない。
かなり度胸があるようだ。
「縄張りに入ってきたのは、人間のお前らではないか」
というよいうな目つき。
いや、きっとそう思われているんだろう。
◆◆◆
2回目に見たのは、玄関から外に出た時だ。
あの、叫び声が聞こえた。
声の方向を見ると、ヤツがいた。
瓦の屋根の上にいた。
しかも、窓のすぐ前だ。
それは、よく開け閉めする二階の窓。
そ、そんなとこに…。
目つきは前と同じ。
バカにされている。
のっそりと、あちらへ行ってしまった。
ネコと戦わなければならない。
でも、まだその態勢が整っていない。
ボクは敵とも思われていない。
完全になめられている。
まだまだ先は、長いのであった…。
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