シュールなのか、金沢シリーズは今回で完結する。
完結するにふさわしいシュールさを、今から紹介する。
ボクが経験した中で、最もシュールだったのかもしれないのが、
『名曲と珈琲ぱるてぃーた』
のマスターだ。
兼六園を見て回るのにけっこう歩いた。
続いて21世紀美術館にもいった。
そろそろ一休みしてコーヒーを飲みたいところだ。
そこでたまたま見つけた純喫茶風のかんばん。
これは、なかなかのフンイキ。間違いなかろう、と思って階段を下りてみる。
地下…。
中は薄暗く、昔のアメリカ映画であるような、闇取引でも行われているような感じだ。お客さんは、いない。
壁には絵画が何枚も飾られている。その中にはピカソの絵もあった。本物なのかどうかはわからない。知らない。
聞こえてくるのは、重厚なクラシック音楽だ。ここは、『名曲と珈琲ぱるてぃーた』さんのなのだ。
カウンターには、研究に没頭している博士のようなマスターがいる。
白髪だ。
静かな声で、いらっしゃいませ、と言われる。
おそるおそるはしっこの席に座る。
「コーヒーと紅茶しかありません」
とマスターは言う。
おぉ、さすが純喫茶。
余計なメニューは、この店には存在しない。
ホットコーヒーを注文する。
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そこまでは、よかった。
するとマスターがカウンターから戻ってきた。
「コーヒーが品切れでできない」
えぇ!純喫茶なのに?
『名曲と珈琲ぱるてぃーた』なのに⁉
しかたなく、紅茶を注文しなおした。
シュールすぎる。
シュールの意味を再確認しておこう☆
1、「基本はありえないことだが、あったら恐いこと(シュールなギャグ)」
2、「現実をありえない形で皮肉したもの(シュールな表現)」
3、「実際に起きてはいるが非日常的な光景(シュールな光景)」
意味まとめ
すべて当てはまっている。
あの空間は、非日常的な光景だった。
ひょっとしたら、まだボクは美術館の中にいて、アートを感じているのか、とさえ思える。
いや、案外そうだったのかもしれないな。
もう一回行きたいか、と聞かれたら、気になるからぜひ行きたい、と答えてしまうだろう。
これがシュールじゃなかったら、なにがシュールなのだ☆
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