え?で?の連続だ

「ダイビングの何をどう楽しんだらいいのか、わからない」
と、言われたことがある。

じゃあどうしてダイビングなんて始めたんだろう、って思ったけれど、もちろんそんなことは言わない。人には人の事情があるのだ。その人は始めるべくしてスキューバダイビングを始めたのだ。

◆◆◆◆◆◆

その人が言うには、こういうことだ。

海の中には、小魚がいたり、大きな魚がいる。
サンゴもある。海藻もゆらいでいる。
頭上からは、太陽の光が差し込んでいる。
一面、青の世界。
おぉこれが海中の世界か、と思う。
で、
「それで?」
ってなる。
「だからなに?」
ってなる。

だから
「ダイビングの何をどう楽しんだらいいのか、わからない」
となるのだ、という。

◆◆◆◆◆◆

どれくらい前のことだったか。たぶん10年以上は以前のことだ。
その人が見た海の世界が全てなわけじゃないけど、それで楽しめなかったら、ちょっとつらいよな、と思う。

水深2メートルの海を見て、楽しいと感じる人がいる。はたまた、この人のように、わりと広範囲の海をダイビングしても、は?で?と感じる人もいるんだから、いろんな人がいて、いろんな感じ方があるのだ。

当時のボクはその人に何て言ったのか?
小魚や大きな魚は何を食べているのか。泳いでいるのか。人間でいうと彼らは今何をしているのか。を観察したら、ボクは楽しい、と言ったのかもしれない。あなたが見てない海中世界は、まだまだたくさんある、とも言ったのかもしれない。
どうだったか忘れてしまったな〜。

その質問というか相談は、インパクトが強かった。

でもその気持ち、わからんでもない、とその時も思った。
そして今でも思っている。

基本的に、海の中は、それで?だからなに?の連続だ。

でもそれが楽しい、と思っている。

旅行でも、それで?、の連続だ。でもそれが楽しい。
登山でも、キャンプでも、基本的にだからなに?、の世界だ。でもそれが楽しい。
ダイビングなんて、え?で?、のカタマリだ。でもそれが楽しい。

今だったら、たぶんこう言う。
ダイビングの「それで?だからなに?」を楽しむ。
一年くらいやってみて、それでも楽しめなかったら、もうやめちゃう。
それでいいと思う。

そんな感じのことを、その当時は言えなかった。今なら言えるんだけどな〜。

やめてから、またダイビングが気になり出したら、またもぐったらいいし。

◆◆◆◆◆◆

ダイビングは楽しい!だからぜひ、長く続けてください!
って、昔は、ずっと言ってたな。

今は、
つまらんかったら、やめたらいい、って言いまくってる。

趣味は、続けなきゃならんものじゃないし。
いつでもやめていいのが、趣味。

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