歩いている時に、犬と出会った☆
犬は人間と一緒に歩いていた。
デカい…!
大きい…!
だいたいの大きな犬がそうであるように、動きはとてもゆっくりで落ち着いていた。
ひょっとしたらボクよりも落ち着いていた。
◆◆◆◆◆◆
ボクの前に歩いていた人が、
「かわいい〜」
と言って、犬とたわむれだした。
犬は愛想よくするわけでもなく、
「しょうがないな」
というような感じで、人間に自分をさわらせ続けていた。
飼い主の人は、とても優しそうな人だった。
実際に優しいんだろう。
◆◆◆◆◆◆
飼い主の人は、ボクに気前よく犬の写真を撮らせてくれた。
でも犬のほうはボクに気前よく写真を撮らせてはくれなかった。
そうか、犬にも撮影許可を撮らねばならなかった。
なんなら、人よりも先に。
犬の名前は、フルーツの名前だった。
それは春には誰もが欲しがるフルーツ。
カフェやコンビニにはそのフルーツのスイーツが並ぶ。
そういう名前で呼ばれて、どのような気持ちになるんだろう。
どうにもならないか。
でも、そのフルーツの発音をするたびに、世界の人々はちょっとシアワセになるはずだった。
実際にボクもそうだ。たぶんあなたも。
いい名前☆
◆◆◆◆◆◆
けっきょく犬は、一度もこちらを向いてはくれなかった。
ボクはまだまだコミュニケーションをとるのがヘタクソなのだった。
とはいえ、他の人に対しても、そんなに愛想よく接していなかった。
そういうタイプの犬なんだ、きっと。
春に人気のフルーツと同じ名前のその犬は、その後もゆっくり、どっしりと落ち着いて歩いていった☆
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