水深3メートルまで降りていくと、もうすでにムラサキハナギンチャクが待っていた。とても礼儀正しく、ちょこんと座って待っていた。
透明度が悪いとはいえ、まだ午前10時くらいなので、海の中は明るい。
ムラサキハナギンチャク
「お待ちしておりました。どうでしょう、今から小アジの泳ぐ群れをご覧いただこうと思います。」
ダイバー
「へえ、そうなんや。」
ムラサキハナギンチャク
「そのかわり、その水中ライトを置いていってもらえないでしょうか。日が暮れると、暗くてしょうがないんですよ」
ダイバー
「水中ライト?そんなアホな。イヤやね」
ムラサキハナギンチャク
「…」
そう言って、ダイバーはムラサキハナギンチャクを通り過ぎていった。
「ちぇっ」
とムラサキハナギンチャクは思った。
通り過ぎられるのにも、もうあきた、と思った。
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