ボートに戻ったわれわれは、もちろん大興奮だった。広がる海だけが、いつもと変わらず静かだった。
マンタはここの海でヒーローだった。
満員のボートは、人もタンクも器材もすべてがマンパン。
こういうマンパンのボートでも喫煙者は必ずいる。タバコを吸ってる人は、どんなところでも、どんな隙間でもどんな狭さでも、ぜったいにタバコを吸うことについては命がけである。
それはボクもかつて喫煙者だったので、よ〜くわかる。
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アウトドアの世界は喫煙に対しての考え方はじつに寛容である。タバコについて、心が広い。それはアウトドアの人は喫煙者が多いから。とくにマリンスポーツの世界は、さらに寛容である。移動中の車の中やボートでの喫煙なんて、日常茶飯事だった。
それが、時はたち、今ではちゃんとしてる。ちゃんとしてると言っても、それでも寛容である。だってボートでタバコ吸えるんだから。
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タバコってガマンできないんだよ〜。知ってる知ってる。でもね、吸わなくても絶対に死なないのも知ってる。
ところが喫煙者同志は仲良くなりやすくて、話もはずむのだ。だから石垣島の満員のボートでも、喫煙者の方々は、円になって話をされていた。ちょっとうらやましい。
くじらあんのお客さまは、沈没船ダイビングについての情報をゲットしていた。
「沈没船にもぐりたいなら、熱海においで」
と言われたみたいだ。
こういう話って、喫煙エリアではいともカンタンにできてしまうのだ。タバコのいいところ。
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このようにして、ダイビングの輪は広がってゆく。知識や情報が増えていって、さらにもぐりたくなるし、先輩ダイバーを見ていいな、って目標にすることもあるだろう。
え？タバコいいやん。いいんかな？わからんけど。
満員のボートで、マンタの話で持ちきりだった。
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