くじらの旅 よろしくありがと沖縄本島編⑦無音/軍隊/芸術

クジラにストレスを与えないように、音を立てないように海へ入る。

水面をバシャバシャさせないためには、船のエントリー口に座り、フィンの先からスッと入る。音を立てない。
前に進むためには、フィンキックをするが、水面を叩くようにしてはクジラによくない。イヤになってここから離れてしまう。だから水中を斜めにフィンキックをする。もちろん無音で。音を立てない。

◆◆◆◆◆◆

海へ入る前はもっとシュールである。

一番いいタイミングで海へエントリーをするために、マスクフィンを装着して、いつでもGOできるように準備をしなくてはならない。ぬかりなく。ぬかりがあってはいけない。

すばやく準備する
軍隊のよう。上官の指示は絶対である。

エントリー口に全員がビシーっっと並んで、前に横に詰める。もうちょっと前に!はい、そこ少し詰めて!などなど、われわれは軍隊のように指示に従う。

われわれはクジラ軍だ。
上官の指示命令も、心地よい☆

◆◆◆◆◆◆

3月下旬の海はまだ冷たい。ヒヤッとする。ここであのことが頭を過ぎる。フードベストって。まぁそのことは今は考えない。20mほど前に進む。もう一度言う、音は立てない。

ここより前に出てはいけない。ここでも音は立てないように。クジラを守るためには厳しいルールが必要なのだ。

上官は言う。
「今、この下に母クジラと子クジラがいるよ」

海はまだヒヤッとする
い、いた!
え。すごいねんけど。
こんなに近くに!
大きい。大きい。

クジラは大きかった。母クジラは優しそうで、子クジラはかわいかった。

不思議と落ち着いている自分がいた。ハッスルしてるわけでもなく、興奮もそこそこに、ストンと心は静かだった。クジラ、すげぇ。
たぶん、そこにいた全員がそうだったんじゃないか?一つの芸術を眺めているような、そんな静けさがあった。

空と、水面と、海の中を眺めていた。すべてがシーンとしていた。

◆◆◆◆◆◆

20~30分くらいか。しかるべきタイミングで船に戻る。

クジラのストレス、あとわれわれも低体温にならないようにしなければ。
船の上で休憩、待機する。まだクジラと戯れるタイミングが訪れたら、再度海へエントリーする。

クジラは想像以上に人なつっこいんやな、と思った。で、だいたいこう言う時は感想が出てこない。

感想なんて出てこなくていい。たかが人間の考えた言葉による感想なんて、そんなのいらない。

空は晴れ渡り、海はどこまでも穏やかだった。

ただただ、いい時間を体験したな。

🌤  🌤  🌤  🌤  🌤  🌤  🌤  🌤  🌤  🌤  

ダイビングスクール開催中☆
無料説明会予約受付中。

で、ご予約、お問い合わせお待ちしていおります。
ダイビングのツアーぼちぼちやってます。
ダイビングスーツと器材の販売してます。

🐳  🐳  🐳  🐳  🐳  🐳  🐳  🐳  🐳  🐳

潜水工房 鯨庵 (kujira-an)
〒602-0098
京都市上京区竪社北半町209
075-204-3221

最新情報をチェックしよう!