遅すぎてオモロイ

節分の前日に、吉田神社へいった。
吉田神社はいわずもがな、節分祭で有名な神社であ〜る。

屋台がずらっと並んで、平日の昼でも大勢の参拝者がいた。
風格のある鳥居を通り、お参りして福豆を買った。

でも印象に残っているのは、吉田神社よりも、屋台のコーヒー屋さんである。

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京都府南丹市の日吉で
“マサイの風”
というコーヒー焙煎所をしているという。通りがかって、ちょっと眺めていたら、
「試飲できますよぉ〜」
とても気の良さそうで優しそうなおじさんがコーヒーを淹れてくれた。

実に丁寧に接客をする。
屋台やから時間がもったいない、とかあまり考えていないようだ。
ボクの隣にも若い女性がひとり、このコーヒー屋の屋台で何かを待っているようだった。

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コーヒーを試飲さてせいただく。
濃くておいしい。濃いのに飲んだ後はスッキリしている。

じゃあコーヒーのペーパードリップのセットを購入することにする。用意するのに時間がかかるそうなので、いったんお参りしてから、取りに来る、と伝える。「わかりました〜その頃には〜」という感じだった。

そこで隣の若い女性のお母さんらしき女性があらわれる。「え?まだ?」と言った。さっきアイスコーヒー頼んだものですけど。と言う。コーヒー屋のマスターは、え〜!と言ってびっくりしていた。若い女性(娘)がアイスコーヒーを待っているなんて思ってなかったようだ。アイスコーヒーのお客さん(お母さん)がまだ取りに来てないから、出来上がっていなかったのだ。マスターは急いでアイスコーヒーをつくっている。
アイスコーヒーのお客さん(お母さん)は、気の良いおばちゃんだったので、
「吉田神社三周したわ」「遅すぎてオモロイ」
と言って笑っていた。

コーヒー屋のマスターは、けっして遅いわけではなく、興味のありそうなお客さんを放っておけないタイプなのだ。だからアイスコーヒーをつくっている最中にボクが通りかがったら、「試飲できますよぉ〜」になるわけだ。ボクが試飲している間にも、同じようなお客さんが2~3人いたから、ボクの前にも、数人はいたに違いない。そりゃアイスコーヒーは遅れる。それでも、このマスターは、興味のあるお客さんを放っておくことはできない。

「今日のことは、日記に書けるわ〜!」
と、アイスコーヒーのおばちゃんは言った。
ボクも、ブログに書こう、と心に決めた。

◆◆◆◆◆◆

ゆっくりお参りして、まあ1時間くらいはたったかな?
さすがにペーパードリップのセット、できてるやろ。コーヒー屋へ向かう。人だかりができている。ちょっとイヤな予感。3〜4人に試飲してもらっている。
「あ、まだできてないんですよ〜」
まだできてない?1時間?
「もうちょっとお待ちくださいね〜」
それから30分くらいで、ようやくいただけた。

そうだ。
このマスターは、放っておけないタイプなのだ。
マスターが悪いわけじゃない。けっして。

コーヒーは、おいしかった。
上賀茂に、もうじきお店をオープンするらしい。くじらあんの近くじゃないか。

またいこう…。

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