不思議なあの気持ち

車の窓から海が見えた時の、あの気持ちはいったい何?

この気持ちは、海沿いで暮らしている人たちと、街で生活している人たちとで、まったく違うと思う。

もちろんボクは街にいるので、歩いていける距離に海などない。

車に乗って数時間かけて海にたどり着くものだから、実はあの気持ちは、ちょっと特別なのだ☆

◆◆◆

街から海に向かっている車には、海を見慣れている人はほとんど乗っていない。

ダイビングをしている人もそうである。

つい先日にも同じように海を見た人もいるし、もう10年以上も海を見ていない人もいる。

ダイバーだからといって、海を見慣れている人たちばかりではない。
ダイビングを始めたばかりの人、10年ぶりの人、マメにもぐっている人。
さまざまである。

◆◆◆

高速道路をおりて、一般道を走る。

ちょっとクネクネした道をゆく。
だいたい海沿いの道は、どこも同じように見える。

で、ちょっとした坂を登ったら、海があらわれる。
あるいはちょっとしたカーブにさしかかったら、海があらわれる。

その時、
「おぉ…」
と思う。

晴れていようが、雨が降っていようが、
海がおだやかであろうが、荒れていようが、
まずは同じである。
「おぉ…」
と思う。

この気持ちのことである。
この気持ちはいったいなんなんだ。
なんなん?

とても不思議なこの気持ち。

何回見てても、「おぉ…」と思う。
海沿いで暮らしていたらこうは思わないんだろう。

そしてボクは、
お客さまの「おぉ…」を楽しみにしている一種の変態である。

お客さまはいちいち「おぉ…」とは言わない。

でもフンイキでわかる。
ボクは、無言の「おぉ…」のフンイキを楽しみにしているのである☆

◆◆◆

車の窓から海が見えた時の、あの気持ち。

いったい何?

この気持ちがなくなることは、きっとないんだろう。
もしなくなったら、さみしいな。
海見て「おぉ…」
ってならないんなら、つまらないぜ。

お客さまの無言の「おぉ…」をはやく感じたい。

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