「あれ…?」
仙人が言う。
「くじらがいましたよ、今」
まさか。
ここは日本の福井県の海沿いの道。
北海道でも小笠原でも、
沖縄でもなんでもない福井県である。
いくらなんでもくじらは…。

仙人はウソをつかないタイプである。
そもそも仙人はウソをついてはいけない。
われわれの、
「見間違えでしょ!」
の声にも動じない。
越前ダイビングの行きの道で、
車の窓の外を眺めながらつぶやく。
「あれがくじらじゃなかったら
何なんだろう…。」
泳いでいるくじらではなくて
白いおなかを上に向けて、
ぷかぷか浮かんでる感じらしく、
おそらくくじらの死骸だろう、
ということでした。
海は間違いなく
世界とつながっているので
くじらの死骸が流れ着いても
おかしくはない。
ダイビングの帰りに
確認してみることにした。
しかし仙人が発見した時から
7時間は経ってるので
すでにどこかへ流されているようで
見つけることはできなかった。
夕陽はとんでもなく美しい。

死骸とはいえ、
くじらを発見できるなんて、
なかなかそんなチャンスはない。
調べてみると、
福井県でも何度か
くじらが打ち上げられているらしい。
それでも、である。
たまにしかいかない海で、
見つけてしまうチカラ。
発見するチカラをもつ男。
さすが仙人。
だから仙人なのか。
次は何を発見するのか楽しみである。

京都でダイビングライセンス取得
↓
ダイビングショップ潜水工房 鯨庵