こんなことは、初めてです。こんなことは、そうそう起こることではありません。
ダイビングの出発は、朝の7時です。ボートの出港時間によっては、6時になることもあります。
ところが今回のお客さまは、朝の9時出発でおねがいしたい、とのことでした。お客さまの方から時間を指定することはないですし、非常に珍しいケースです。
まだ会ったことのないお客さまでしたし、ひょっとしたら夜勤のあるお仕事をされていて、それでも海にいきたいお客さまなのかもしれない。あるいは、被災地のボランティア帰りかもしれない。もしくは毎朝誰かの看病をしているのかもしれない。
そんなお客さまに、「いやいや、7時と決まっているので…」とか、「それではまた別の機会に…」と言えるか。いや、言えない。
さいわい、この日はマンツーマンだったので、9時出発にしました☆お客さまは大きなダイビングバッグをかついで集合時間の10分前に来てくださいました☆暑いのにご苦労様です。
ある程度会話にも慣れてきたころに思い切って聞いてみました、なぜ9時出発なのかと。それ相応の、しかるべき理由があると思って、耳を澄ませて聞いてみる。
「あ、旦那の朝食の準備があったので。」
朝食の準備!
いろんな理由を想像しました。夜勤、ボランティア、看病、等々…
でも、旦那様の朝食の準備だとは思わなかった!
よくよく考えてみると、これ以上の理由ってあるだろうか。夜勤、ボランティア活動、誰かの看病もとても責任感のある立派なことですが、家族の朝食の準備はそのお客さまにしかできない。
少し笑ってしまって、
「いいと思います!」
と言って、海に向かいました。数分後、一旦停止の交通違反で2点減点されるのも知らずに☆
海はじつに快晴で、気持ちよくダイビングができました☆そうじゃなきゃ、こんなダブルグ~!がいただけません。また後日、ファンダイブに参加していただけるということです。
「FDの出発は、朝の7時です!」
と念を押したのは言うまでもありません☆